解体工事に伴うアスベスト問題とそれに伴う池田市の取り組み

解体工事作業を行う建築物にアスベストが使用されている場合、池田市では事前の届出が求められています。
アスベストは安価で耐火性、断熱性、防音性など様々な面で優れていると言われており、建築材料として長年使用されていました。
高度経済成長期には、建設ラッシュに伴い多くの建築現場でアスベストが使用されてきました。
では、誰もが聞いた事がある「アスベスト」という言葉ですが、実際にアスベストとは何でしょうか?また、アスベストを使用していることで、どのような問題があるのでしょうか?
アスベストについて知ることによって、池田市などの市町村に作業の届出を行う必要性や大切さを改めて理解することができるかもしれません。

アスベストとは

アスベストとは、石綿とも呼ばれている天然鉱物繊維のことです。
代表的なものとして蛇紋石系のクリソタイル(白石綿)と角閃石系のクロシドライト(青石綿)やアモサイト(茶石綿)に分類できます。
アスベストの危険性
アスベストの繊維は非常に細かく、浮遊しやすくて吸収されやすいという特徴があります。
そのため、アスベストが飛散することで、人がその繊維を吸入してしまうと、アスベスト繊維が肺の中に残ってしまうことがあります。それによって、肺がんや慢性肺線維症などの疾患を生じさせてしまい健康障害が発生する可能性があります。
そしてアスベストによる健康障害は、石綿を吸入してから30年から50年という長い期間を経て発症するとも言われています。
そのため現在では、アスベスト含有製品の製造や使用等が全面禁止となっています。
アスベストの使用範囲
ではこのアスベストは、実際にはどのような場所で使用されてきたのでしょうか?
実はビル、学校、病院、公共施設や一般住宅など広範囲にわたって使用されていました。
また、アスベストには様々な機能があることから、建築物の天井や壁紙、床材など多様な目的でも活用されていました。

上記のように、アスベストはこれまで様々な場面で使用されてきました。
近年、人体に有害な影響を及ぼす
心配もあるということが判明したため現在では使用を禁止されていますが、一方、かつてアスベストが多用されていた時代の数多くの建築物に老朽化などの様々な理由により解体工事や建て替え工事の必要が生じています。 このアスベストが使用されている建物の解体工事等をする場合に、他の自治体同様に、池田市では必要な届出をすることが求められています。

石綿含有建材使用の解体、改造、補修作業の届出

この届出は、事前調査により解体作業の対象となる建築物等にアスベストが使用されている場合、アスベストを排出、飛散するおそれがある作業として提出するものです。
届出が必要となる作業
  • ・対象の建築物等に、吹付け石綿、石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材が使用されている場合は全ての解体工事作業
  • ・対象の建築物等に石綿含有成形板が使用されている場合、解体工事作業等に係る石綿含有成形版の使用面積1,000㎡以上の作業
この届出は、解体工事作業等を行う工事の発注者又は自主施工者が行い、作業開始の14日前までに池田市に届け出を行う必要があります。
詳細は池田市のホームページにて確認することができます。

まとめ

聞いたことはあっても、あまりなじみのないアスベストですが、多くの場所で長年活用されてきたため、もしかしたら自分の家や身近な場所でもアスベストが使用されていたという場合もあるかもしれません。
池田市などの自治体では、アスベスト使用に関する調査や補助金制度を実施しているケースもあるので、気になる場合は、池田市のホームページを確認したり、市の担当に問い合わせをしてみたりすることをおすすめします。