時代の変化とともに必要となる解体工事 ~吹田市~

私たちにとって解体工事は、あまりなじみのない存在かもしれません。
しかし、時の経過とともに、住む人が変わり、時代が変わり、新しい街となっていくというサイクルを繰り返していく中で、解体工事というものは必要不可欠な存在と言えるかもしれません。
吹田市でも、これまでの長い歴史の中で、家やマンションなどの居住地だけでなく、多くの建物が解体工事によって姿を消しては、新しい建物が建設され、発展を続けています。
その中の一つにエキスポタワーという展望塔があります。
吹田市以外の地域に住んでいる人や、若い人の中には見たことがないという方も多いかもしれませんが、建設当時は非常に有名な展望塔でした。

エキスポタワーの歴史

1970年に完成したタワーで、高さは127メートルにもなる展望塔です。
その年には、日本で行われた非常に大きなイベントの一つとなった大阪万博が開催され、その万博のランドマークとして建設されました。
1990年には展望台としては閉館しましたが、携帯電話の基地局として用いられていました。
特徴
3本の鉄骨が直立に延び、そこに多面体から成るキャビネットが複数取り付けられ、それらの部屋は展望室、展示室や機械室などとして使用されていました。
数十年前に建てられたとはいえ、今そのタワーの姿形を写真等で見ても、個性がにじみ出ているデザインだと感じる方が多いのではないでしょうか。
また、海抜65メートルの場所に建設されていたため、非常に見晴らしが良く、大阪万博の会場が一望できるということから、多くの人が来場し、とても人気がありました。
役割
電波塔としても機能しており、無線設備もあったため、中継基地としての役割も果たしました。
解体工事
建設から数十年が経過した2002年、老朽化が進んだため、同年8月から解体工事と撤去作業が行われました。現在は、空き地となっています。

まとめ

上記のように、エキスポタワーだけでなく、多くの場所で、その土地ごとにシンボルのような役割を果たしてきた建物が、時の流れや社会の変化、また老朽化などにより解体されていっています。
私たちにとっても、かつて子どもの頃の大切な思い出となっていた場所が、今はもう解体されてなくなり、すっかりと雰囲気も変わってしまい、時の流れを感じたという経験を、誰もがしたことがあるかもしれません。
私たちの身の回りでも、現在もこれからも、大小さまざまな解体工事が行われ、環境や雰囲気が変化していくことでしょう。
解体工事や取り壊し作業と聞くと、一抹の寂しさを感じるかもしれません。
まして、慣れ親しんだデパートや施設が解体される時は、尚更そのように感じるものです。
しかしこれからは、新たな街づくりの最初の一歩として、解体工事が行われているのだというポジティブな見方で見守ることで、新しく変わったその場所で、自分や家族の楽しみを見つけ、思い出を増やしていくことができるかもしれません。