解体工事によって発生するリスクを避けるために~吹田市~

解体工事は、建物を壊して撤去する作業となるので、十分な対策がなされるものの、大きな音や振動などはどうしても発生してしまいます。
また、工事に重機などが使用される場合には、道を塞いでしまう可能性もあるので、他の車や人などの通行を妨げないように配慮する必要もあります。
そのような工事が、住宅が密集している場所で行われる場合には、近隣住民にとっても影響が及ぶことでしょう。
解体工事業者は、工事によって発生するさまざまな問題点を把握しているので、色々な備えをしたうえで工事を行いますが、吹田市でも工事に関する条例を定めています。

吹田市環境保全等に関する条例

吹田市では工事が行われる際に、周辺住民に工事内容を確実に周知することで、良好な近隣関係と健全な生活環境を保つことを目的とした条例が、平成29年9月1日に改正施工されました。
解体工事を行う場合は、特定工事の発注者が工事の内容を知らせる標識を設置し、大規模な解体工事では、説明会の実施と市への報告を行うこととされています。
この住民への周知は、解体工事以外の作業の場合も含まれるので、関心のある方は、詳細を吹田市のホームページで確認してみてください。
吹田市環境の保全等に関する条例
住民説明の範囲
解体工事の場合は、工事区域の境界線から水平距離が解体する建築物の高さに相当する距離の2倍の範囲、もしくは水平距離が20メートルの範囲のいずれかの広い範囲が説明範囲となります。
説明内容
下記について、説明会の開催、もしくは戸別訪問にて周辺住民に説明を行う必要があります。
  • ・工事の名称と場所
  • ・工事の発注者と受注者の氏名や連絡先
  • ・工事の現場責任者名と連絡先
  • ・工事の作業内容と工程
  • ・工事の開始時刻と終了時刻
  • ・騒音、振動、粉塵等の防止方法
  • ・工事関係車両の通行経路
  • ・アスベスト含有建築材料の使用の有無等、その他必要な事項
また、解体工事の場合は、事前に工事内容を表示した標識を、解体工事の発注者が設置しなければなりません。
標識設置期間
設置期間は、少なくとも7日前から工事完了日まで、もしくは30日前から工事完了日までと、工事の規模によって変わります。
工事規模の基準は、解体工事区域面積が1,000平方メートル以上の高さ10メートルを超える建築物かどうかによって変わります。
標識の内容
標識に記載すべき事柄は以下の通りです。
  • ・工事の名称や場所
  • ・工事の発注者と受注者の氏名や連絡先
  • ・工事の予定期間
  • ・工事に関する問い合わせ先

まとめ

上記のように、吹田市では解体工事によって生じる問題を避けて、工事を依頼する側と近隣住民との良好な関係を維持するための条例が定められています。
解体工事後もその場に住み続ける場合にはなおのこと、近隣の人々との良い関係を大切にしたいものです。
災害時などの緊急事態が発生した時には、周りの人との助け合いや必要な情報を交換し合うことなど、良いコミュニケーションが重要となってくるにちがいありません。
自分たちの住んでいる地域の条例についてよく理解しておくことによって、様々な問題を事前に対処し、自分や家族の生活環境を守ることができるでしょう。