解体工事に必要な事前調査について~高槻市~

建物の解体工事では、生じる騒音や粉じんの対策、廃棄物の適正な処理が必要となります。
そして、それぞれ定められている法律、条令や規制に基づいて行わなければなりません。
それらは、解体業者が十分な配慮のもとで作業を実施してくれるものですが、私たち発注者となる側も、求められている調査、申請や手続きに関する情報を知っておくことで、いざ解体工事をしなければならない必要に迫られた時に役立つかもしれません。
そこで今回は、解体工事の際に行う事前調査についてご紹介します。

事前調査とは

建築物の解体、改修や補修工事を行う場合、工事前にアスベスト(石綿)含有の有無や使用状況について調査するというものです。
建物の規模などに関わらず、原則全ての工事に対して、事前調査が必要になります。
事前調査の重要性
アスベストは耐火性や耐久性に優れているため、過去には建設現場で幅広く使用されてきました。
しかし、繊維が非常に細かく空中に浮遊するという特性があるため、人体に吸入されると石綿肺や肺がんといった重篤な病気を引き起こす危険性があります。
上記の理由から、現在ではアスベストの使用は禁止されていますが、禁止される前に建築された建物には使用されている可能性があるため、解体工事などを実施する際には、その建物にアスベストが使用されていないかを事前にチェックすることが非常に重要となっています。
事前調査の内容
解体工事を行う建物の階や部屋ごとに、また床、壁や天井ごとにアスベスト含有の有無について調査を行います。
そして、受注者は発注者に対して事前調査書面を交付して説明し、調査結果を現場に掲示します。
事前調査結果の報告
以下に該当する場合は、事前調査による結果を報告する必要があります。
  • 解体作業の対象となる建物の床面積の合計が80㎡以上の場合
  • 改造や補修する作業を伴う建設工事であり、作業の請負代金が合計100万円以上の場合
  • 工作物の解体、改造や補修作業を伴う建設工事で請負代金が合計100万円以上の場合

高槻市では、市内の建築物のアスベストの使用の有無に関して専門分析機関の調査費用の一部を補助する制度を設けています。
アスベスト分析調査費用の補助
対象となる調査
アスベスト含有の疑いがある吹付アスベスト、吹付ロックウールについての定性分析調査と定量分析調査が補助対象となります。
補助額
1棟あたり最大25万円を限度とした調査費用の全額
(調査費用1,000円未満の端数は切り捨て)
その他、申請方法、必要書類や補助となる調査の詳細は、高槻市のホームページで確認することができます。

まとめ

解体工事前に行わなければならない事前調査についてご紹介しました。
アスベストの健康被害について考えると、自分の身を守るだけでなく、作業スタッフや近隣住民の健康にも配慮するための非常に重要な調査だといえるでしょう。
また、上記の調査に限らず、建物の所有者として解体工事を行う際に必要な届出や手続きもあります。
もし、解体工事や建設工事を計画しているならば、所有者、依頼者側として行うべき事柄には何があるのかを十分に把握して、工事に備えましょう。