解体工事での振動問題と摂津市の対策とは

解体工事で生じる問題やトラブルの中で最も多いものは、騒音や振動と言った問題だと言われています。
もちろん、解体業者も十分な配慮をしたうえで工事を行いますが、重機を使用して建物を取り壊す作業となるため、騒音や振動の発生を避けることはできません。
解体業者や施主側は、近隣住民に迷惑を掛けたくないと考えていますが、乳児、夜勤勤務、在宅ワークや療養中の人にとっては、日中に実施される解体作業は、大きなストレスとなってしまうかもしれません。
では、解体工事では、振動対策としてどのようなことが行われているのでしょうか。
対策例をご紹介します。
  • ・工事前に近隣住民に対して事前説明を行う
    工事の内容や日程、作業時間など具体的に伝えることが、住民の理解を得ることにつながります。
  • ・防音シートやパネルを使用する
    建物を取り壊す際の騒音や振動を抑制するために行います。
他にも、振動が少ない重機を使用するなど、丁寧に作業するといった配慮がなされているようです。

摂津市の振動対策

各自治体では工事現場で発生する振動から快適な市民生活を守るために、さまざまな対策が行われています。
ここでは、大阪府摂津市の振動対策についてご紹介します。
特定建設作業の届出
対象となる建設作業を行う場合に、作業開始の7日前までに必要な届出を行わなければなりません。
特定建設作業に関する届出について

特定建設作業に係る規制基準
住宅系地域、商業地域や準工業地域等における基準は以下の通りです。

  • ・振動の基準は75デシベル
  • ・労働時間は午前7時~午後7時
  • ・作業時間は、最大1日当たり10時間
  • ・作業日は、日曜日やその他休日を除く日
  • ・作業期間は最大連続6日
なお、区域によって基準が違うので確認する必要があります。

対象となる作業

  • ・くい打機、くい抜きまたはくい打くい抜機を使用する作業
  • ・鋼球を使用し、建築物やその他の工作物を破壊する作業
  • ・舗装版破砕機を使用する作業
  • ・ブレーカーを使用する作業
  • ・ブルドーザー、トラクターショベルまたはショベル系掘削機械を使用する作業
上記の点を踏まえて作業地点が連続的に移動する作業の場合は、1日における作業に係る2地点間最大距離が50メートルを超えない作業に限ります。

届出の必要書類

  • ・特定建設作業実施届出書
  • ・騒音又は振動の防止方法
  • ・工事工程表
  • ・特定建設作業実施場所の周辺見取り図
  • ・必要に応じて機械や工法などの参考資料

まとめ

解体工事での騒音や振動の発生を避けることはできませんが、少しでも抑制させるためにさまざまな対策が行われていることをご紹介しました。
家屋の建て直しなど解体工事後もその地域に住み続ける場合はなおのこと、近隣の方と良好な関係を保っていきたいものです。
もし、近隣住民から何らかの苦情を受けた時には、迅速に対応することがなによりも大切です。
工事前に行う挨拶回りに加えて、誠意ある対応をすることによって、近隣の方の協力や理解を得ることができるのではないでしょうか。